エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
「売ります!!お売りいたします。」

これが昔のマンガなら今オーナーの目は“¥マーク”をしているだろう。

しかし俺はあっさり

「いや、買わない。」

と言ってみた。

今度はオーナーの口がガーンと垂れ下がった。いや垂れ下がった様に見えた。

よほど長い事売れてないのだろう。

可愛そうに…いい加減もて遊ぶのは止めよう。

かなり楽しめたが…。

「兄ちゃん俺たち色々と訳有りで逃げてんねん。実は“かけおち”してな。あいつの旦那に追われとるんやわ。」

なぜか関西弁で言うとそれらしいから不思議だ。

「訳ありと思いましたよ。」

オーナーもくいついてきた。

「レンタカー借りたり、車こうたりするとすぐに足がつくやろ!?だからこれを60で貸してくれへんか?このままの状態でな。ただし無期限でや。」

これにはオーナーも考えこんだが

「分かりました。お貸ししましょう。」

と二つ返事でOKしてくれた。

「やっぱり兄ちゃんリーゼント姿が男前やと思とったわ。」

弥生がこっそり苦笑した。


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