エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
「とてもお似合いですよ!」

弥生が俺の選んだ白いワンピースを鏡の前であてて見ている所に店員が近づいてきた。

「でも若向きじゃないかしら…なんか恥ずかしい。」

「イヤ似合ってるよ。」

世辞など言えない俺だからモチロンこれは本音だ。

すると弥生が俺に耳打ちして小声で

「これも裏をかいての事ですか?だって白いワンピースなんて逃亡者には不向きでしょ?」

と聞いてくるので

「そう!そういう事。」

本当は俺の趣味だけど…。

俺はそれを弥生に悟られないように

「じやあ着替えて」

と促し、弥生が着替えている間に店員と一緒に後は動きやすい服を3パターン揃えていった。

さすがに俺の趣味だけで揃えたらミニスカートや面積の少ない服ばかり選びそうだから…。


「じゃああそこも見ていいですか?」

弥生が指差す方を見ると、メンズのカジュアルショップだ。

「イヤ〜さすがにあそこは俺には若すぎるだろう…。」

と照れている俺をよそに

「勇に!勇に買っちゃダメですか?」

「あぁっ!? いいんじゃない。」

可愛そうに俺は取り残されて一人きり。

いいんだ…。別にこの黒ずくめにサングラスがトレードマークなんだから…。

だんだんと落ちていく俺。

すると、思い出したかのように弥生が手招きしてきた。

「野田さん来て!野田さんに似合いそうなのがあるから。」

「ハ〜イ」

俺は弥生の所に走って行った。


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