ことばのスケッチ

顔を持ち上げて手足を動かしている内に、座布団の縁からごろりと落ちて、私の体が一回転して仰向けになり、ふわふわしたところから堅い所へ移動した。その瞬間に私の体が宙に浮いて、またふわふわしたところへ移動した。
「まぁ、直ぐに寝返りするわね、上手々、今度は暫くこのままにして置いてみようかしら、どうするかな」
　随分と長い時間顔を持ち上げていたので、疲れてしまった。顔を下ろすと息ができなくなって大変だ。手足を動かしておれば、その内ひっくり返るだろうと思っても、ひっくり返らない。何とかしなければと、手足を動かしている内に、自分の体が持ち上がった。