ことばのスケッチ
第三話 哀れな人(徒然な人)
官庁は縦割りの世界と聞いている。ある年代に達すると、自分の行く末が判るようだ。定年までにはまだ間があるが、自分に見切りをつけた者は民間に下がってくる。民間の世界は全て実力主義である。すっぽり官庁の温床に染まったまま椅子に座る。官庁に居たと言う誇りと、官庁から唯で頂いた資格と言う肩書きが胸を反らせる。現代の「徒然」が目に付く。当然、民間の社会においても上の椅子に座る。
「今日から、副所長を受け持ってもらいます」と、全員の前で所長から紹介される。胸を張ってつかつかと前に立ち、ひとしきり自分の経歴を述べた後に、
「何せ、初めての職場で未熟者ですので、ご指導の程宜しくお願いします」と締めくくった。反り返った姿と、前段の経歴とはマッチするが、この締めくくりは何かちぐはぐのようにも聞こえる。
官庁は縦割りの世界と聞いている。ある年代に達すると、自分の行く末が判るようだ。定年までにはまだ間があるが、自分に見切りをつけた者は民間に下がってくる。民間の世界は全て実力主義である。すっぽり官庁の温床に染まったまま椅子に座る。官庁に居たと言う誇りと、官庁から唯で頂いた資格と言う肩書きが胸を反らせる。現代の「徒然」が目に付く。当然、民間の社会においても上の椅子に座る。
「今日から、副所長を受け持ってもらいます」と、全員の前で所長から紹介される。胸を張ってつかつかと前に立ち、ひとしきり自分の経歴を述べた後に、
「何せ、初めての職場で未熟者ですので、ご指導の程宜しくお願いします」と締めくくった。反り返った姿と、前段の経歴とはマッチするが、この締めくくりは何かちぐはぐのようにも聞こえる。