姫華伝
「あぁ。智は、親父と他の女との間に出来た子供だ」



「えっ・・・・じゃぁ、姫ちゃんとは・・・」



「片親姉弟だ」



「・・・・・・・・・・・」



「葬式んとき、1歳だった智をあたしの前に連れてきて女は言った。“あの男が死んだらこの子は何の役にも立たないのよ!!”ってな。だからあたしが智を引き取って2人で暮らしてきたんだ」



「・・・・・そ・・っか」



藤堂郁也は、弱弱しく答えた。



「おいおい、そんな顔すんなよ。つーか、わっかた?そーゆーことであたしが智の迎えをしなきゃなんないの」



「・・・・・・・・・・・」



「じゃ、あたしは帰るから。恭介、呼んでもらえるか?」



あたしは、ソファから立ち上がり鞄を持った。



「・・・・・・・・・・・待て。」



「あぁ?」



無愛想男があたしの後ろに立っていた。



「なっ、なんだよ!?」



「・・・・・・・・これからここに通え」



「あぁ゛!?お前、バカか!?あたしが言ったこと「ガキの迎えは、俺達も行く」



何言ってんだコイツ?



「お前、頭大丈夫か?」


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