神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
鵺は目を細めて過去を振り返るように遠くを見つめた。


「かれこれ二十年ほど前になりますか…。玄奘は我々の組織の一員でした。」


その言葉を聞いた透は目を見開いて言葉を失った。


「な…親父が…馬鹿な!?」


「いえ、正確に言えば組織の一員であるフリをしていた…と言った方が正しいでしょう。
…玄奘は我々の主が誰であるか突き止めるために組織に入ったのです。彼にはそれだけの力があった…。」


そこまで言うと鵺は頭を軽く振って視線を透に戻した。


「しばらくして玄奘は主の正体と、その目的に気がつきました。
そこで彼がとった行動は、主への反逆と限定空間の封印でした。」


「限定空間の封印?それはどういうことだ!!」


透は初めて鵺と会話した時からの謎が明かされ始めた事に、声を荒げて食いついた!

鵺は相変わらず淡々と話しながらも、常に殺気を放ち月読の行動を抑制していた。


「玄奘は主を暗闇の部屋へ封印したのです。…そこは鏡の中、どこからでも繋がっているが、どこへも繋がっていない場所。」
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