神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
「…普段なら、知らないと答えるところですが…貴方に嘘をつく必要はありませんね。」


「…と、いうことは知っておると?」


意味深な答えを返した幹矢に対して白蓮は目を細めた。


「ええ…三種の神器の一つは私の故郷、出雲にあります。」


「やはり…以前、座敷童の事をオマモリサマと呼んでいたのを聞いて、もしやと思っておったのじゃ。
…オマモリサマとはお護り様の事。違うかえ?」


白蓮は幹矢の反応を探ろうとしたが、前髪に隠れて見えない瞳からは何も読み取る事が出来なかった。


しかし幹矢はこれ以上隠すつもりはないらしく、あっさりと首を縦に振った。


「正しくその通りです。あの方は気が遠くなるほどの長い間、神器のお護り様として神社におられます。」
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