神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
白蓮はその言葉を聞いて少し気が楽になった。
少なくとも三種の神器の二つはまだ奪われてはいないという事だからだ。

草薙の剣の他に残る神器は八坂瓊勾玉(やさかにのまがたま)

そして八咫鏡(やたのかがみ)の二つ…。

そのどちらかが幹矢の所にあるという事が、判っただけでも聞いた価値があった。


「ですが…他の神器の場所までは僕は知りません。他に何かありますか?」


幹矢は次に来ると考えられる質問を、先読みして言った。


それからしばらく考えた白蓮は首を横に振って無いという態度を示した。


「分かりました。では僕も失礼させてもらいます。もう少しの間お部屋を借りますが、何か思い出されたら聞いて下さい。」


幹矢はそう言って一礼すると、借りている部屋へと帰っていった。
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