妹の恋人は姉の彼氏の従弟Ⅱ
「…と、言うことなんだが
桜嗣と会って話をしてくれる?」

バスケの試合を終えて帰って来たばかりの海堂に向かって私は聞いてみた

海堂の眉が下に向くと、首をかしげた

「桜嗣と紫音の関係は?」

「は? ただの仕事仲間だよ」

「本当に?」

「は? 何疑ってるんだよ」

海堂は肩にかけていたスポーツバックを玄関に置くと、私に抱きついてくる

試合後の海堂はボディソープと、甘いコロンのにおいがした

「疑うだろ
紫音は可愛いから」

……たぶんだが
私を可愛いと思っているのはお前しかいないと思うが…

桜嗣とはそんな関係じゃない

桜嗣は私を女と見ていない

女遊びの激しいヤツが、私には何も言ってこない

…ってことは、私は女として見られていない何よりもの証拠だろう

そう考えると
微妙に悲しくなるけど
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