苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「ユリア」

呼ばれた私は、視線をあげる。

まぁ、確かに。

彼の姿に少しは見慣れたはずの私さえうっとりするほど、和装の似合う悪魔がそこにいて、嫣然とした笑みを浮かべていた。

伸ばされた手をつかもうとして、バランスを崩す。
こんな正装、慣れないんだから仕方がない。

……のに。

キョウはなんてことなく私を抱きとめた。

「人目を気にせず抱き合いたいなんて、ユリアも大胆になったね」

耳のそばで、私にだけ聞こえる声でキョウがささやく。

……違うに決まってるでしょーっ

私はゆっくりと体制を立て直す。

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