苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
だからわたしも、冷たい口調で答えた。

「結構よ。
 パパに伝えることなんて、何も無いわ。
 そうでしょう?」

「反抗期なのかなぁ。清水ーっ」

パパが芝居染みた口調で、清水に手を伸ばす。

「楽しそうですね」

その猿芝居を冷たく遮ったのはお兄ちゃんだった。

「お兄ちゃん。
 パパと清水が意地悪なの」

絶対的な味方だと信じているので、私はお兄ちゃんに訴える。
でも。
返って来たのは思った以上に冷たい視線。

「そうですか?
 最近、都さんはとっても清水と仲が良いじゃないですか。
 とてもお兄ちゃんの入る隙は無さそうですけどね」

……えええっ?

(次ページへ)
< 85 / 196 >

この作品をシェア

pagetop