苺祭的遊戯(ショートストーリー集)
「あら、お一人で暮らされているんですか?」

きらり、と。
獲物を見つけたジャガーのごとく、遠藤の瞳が光ったのを視線の端で捕らえ、清水は内心肩を竦めた。

そもそも、遠藤にはパーソナルスペースという認識が無いのか、少しずつ清水の傍へと近寄ってくること自体、逃げ出したくて仕方が無い。

これが、紫馬だったら……。
瞬くような早さで、たまねぎの皮でなく、彼女の服を剥くのだろう。
想像しただけで頭が痛くなる。

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