姉ちゃんには秘密〜オレの甘甘ツンツンな想い〜ｵﾄｺﾒｾﾝ

学校に着くと、若菜と巳艶が先に居ていつものように漫才のようなやり取りをしている。



尻目に見ながらオレは、自分の席に着いた。



｢和希！｣



広樹は隣のクラスだから、良く巳艶と若菜とつるんでいる。この二人は、面白いから。



｢ん？どうかした？｣


心配な表情で、巳艶がオレの表情を覗く。



｢お前平気か？鞄は？｣



巳艶の言葉にオレは、ハットした。部屋に置き忘れたのだ。制服は、いつも着替えてから、降りるからそれは問題なかった。



鞄がないことに気づいたオレは、巳艶を見ながらただ苦笑いするしかなかった。


『和希！先輩読んでるぜ？』



入り口に居るクラスメートがオレを大声で呼ぶ。そこに一緒にいたのは、オレの鞄を持った先輩が居た。



｢和希！ほれ、忘れてるで？｣



鞄を先輩は、オレに渡してくれた。



なんで…こんな事すんだよ。嫌いになれないじゃん…先輩の事…



複雑な想いでオレは、受け取ると先輩に頭を下げる。先輩は、気にすんなと言わんばかりにオレに笑いかけてくれた。