チェンジ‐ため息の行方
 その男は約1時間程車を走らせると郊外にある団地の一画にある駐車場に車を停めた。なので谷崎も慌てて料金を払ってタクシーから降りた。

 まず男は車のチャイルドシートのベルトを外してから赤ちゃんを抱っこすると、ゆっくりと歩き出した。そして徒歩で1分位のとあるアパートの前に着くと、階段を昇り3階の自分の部屋のドアの前に立ち鍵を開けて中に入った。

 ちなみにそのアパートは木造モルタル造りでかなり傷みが激しくボロかった。ネームプレートには『307号室小杉』と書かれていた。

 なので谷崎はその部屋のネームプレートの名前と部屋番号を素早く頭の中に記憶すると、階下に下りて人気のいない場所に行き今、記憶した部屋の表札の名前と部屋番号をケータイに打ち込み即桐島にメール送信した。
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