流星


「あ…すみません、あの、勇人さんですよね?私、星奈の同僚の中本といいます」

「星奈の?」

「はい。勇人さんのことは写真とかで見せてもらったりして…ビックリしました」

「そりゃこっちの台詞だ」

そうですよね、と笑う女からはなるほど、確かに星奈と同じ雰囲気を感じる。
似た者同士で仲良くなったんだな。

「じゃあ、これ渡しに来ただけなんで。これからよろしくお願いします、中山さん?」

「中本です。――あ、今日星奈来ますよ?挨拶とかしなくていいんですか?」

「あー、いや、別に。結婚控えてるから、他の男と会わないほうがいいだろうし」

「……結婚?」

「じゃあ、そういうことで」

あまり星奈の話はしたくない。
溢れてくる想いを止められなくなる。
不毛な恋なんて、したくない。


俺は一度も振り向かずに部屋に入った。
心の中にある星奈に会いたい気持ちを、必死を圧し殺しながら。

< 40 / 45 >

この作品をシェア

pagetop