流星
気付くと寝ていたらしい。
時刻は11時近くになっていた。
「やべ…スーパー閉まる…!」
買い物のことなどすっかり忘れていた俺は、慌てて部屋を飛び出す。
ガチャガチャと鍵をかけているとき、隣の部屋の扉が開いて「お邪魔しましたー」という声と共に、1人の女が出てきた。
目が合い、お互いに固まる。
「…ゆー、と?」
先に沈黙を破ったのは星奈だった。
俺はその問いかけに頷くことしかできない。
星奈は満面の笑みで俺に抱きついてきた。
「もうわかるよ!勇人、久しぶり!」
「あ、あぁ…久しぶり」
いきなりのことで行き場のない手を宙に浮かせながら、俺は星奈に笑いかけた。