“俺様”大家の王国
しかし、それに対しミエロは突然、奈央の予想もしない事を言った。
「……許す」
「え、何を?」
以前、十郎さんのところの台所を、油まみれにした事だろうか。
もしその事だとしたら、あれから何カ月も経っているのに、随分執念深い事言うんだな。
……と思っていたら。
「俺の事を『みーさん』と呼ぶ事を、許可する」
何じゃそりゃ。
漫画だったら、引っくり返ってオーバーリアクションを取っていたところだ。
(実際やったら、どん引きされると思うけど)
「……何ですかそれ」
奈央が本気で首を傾げると、ミエロは説明し出した。
「俺の学生時代のあだ名。
名字の読み間違いからきた『ミエロ』の『ミ』を、伸ばして呼ぶ愛称」
いや、聞きたいのはそういう事じゃなくてね。
「お前だけに、許可する……」
だから、何でそんな上から目線なんだよー……!