“俺様”大家の王国
あ、あの女ーっ……!
ミエロは、奈央がシャワーを浴びている間ひとり、自棄ピアノに明け暮れていた。
苛々しすぎて、どんどんテンポが上がっていく。
トルコ行進曲を倍速、倍速、倍速……! ああ、指がもつれる! ちきしょー!
「……っあーもう!」
ミエロは、鍵盤をボーンと叩いた。
思いの外乱暴な音が響いて、どきりとする。
待てよ。どきりとしたって事は――つまり、罪悪感を感じた、という事か?
この程度の事で……どんだけ肝が小さいんだ、俺は……。
じゃなくて、あいつが悪いんだ、奈央が!
俺の勇気をあっさり踏みにじってー!
うがー!