“俺様”大家の王国
私は、耳を澄ませて様子を窺った。
……しかし、きゃあきゃあと黄色い声が響きまくって、よく状況が分からない。
あの人、そんなに人気なんだ……。
だけど集中していると、途切れ途切れに光太郎の声が聞こえてきた。
「……メイド服の子が……」
やばい、私の事話してる!
「……の部屋、入っても……?」
続けて、
「そっちはただの荷物置きですから駄目ーっ!」
という慌てたみっちー先輩の声がした。
つまり、彼を止め切れなかったのだ。
という事は……。
(まずいじゃん!)
私は結局、ダッシュで窓を開け、外側に降り立った。
十センチもない足場に爪先立ちになり、壁に張り付いたまま、急いで窓を閉める。
その後まもなく、標本室の扉が開く音がした。