“俺様”大家の王国
思い出したら、ちょっと恥ずかしくなった。
(騒がれたら人が来ちゃうかもしれないのが嫌で、とりあえず言われた通りに飛び降りてみたけど、
絶対花壇に二人とも、『べしゃっ』ってなると思ってたし……)
ところが、十郎さんがしっかりとキャッチしてくれたので、私は事なきを得たのだった。
「……でも、どうして奈央さんは、光太郎から逃げたんですか?
っていうか、そもそも……何で、あいつはここまでしてあなたを……」
十郎さんが私の手に触れかけた瞬間、レンジが鳴ったので、私は立ち上がった。
「あ、肉まん出来ましたよ。
焼きそばも温めますか?」
「いえ、いいです……」
肉まんは一個しかなかったので、半分に千切って、
何故か若干しょんぼりしている十郎さんにもあげた。
ちょっと固くなってしまったが、具がたっぷりで、充分においしい。