季節外れの卒業旅行
「要はカメラやろ?」

「…そう言ってるだろ!」

「なら、カメラって言えば終わりやろ…
難しい説明しよって…
わからへんっちゅうに」

俺は大きく息を吐きだした

面倒くせえ

実物を見ればカメラだってくらいわかるだろうがっ!

「藤城さんって頭がいいんですね」

実花さんが振り返って言葉をかけてきた

「本で読んだ知識しかわかりませんけどね」

俺は微笑んで、言葉を返した

瑞希がむすっとした表情になった

「ただの読書オタクや」
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