季節外れの卒業旅行
赤いシャツの男に、俺は睨まれた
自己紹介をしようと立ち上がったときに、瑞希にカメラの説明を始めたからだろう

「雑誌社に勤めてる、谷 涼太だ
真琴に誘われてきた
もし企画が通った時は、この旅行について雑誌に載せる予定ですから
よろしく」

不機嫌な声で紹介をすると、荒々しく椅子に座った

舌を鳴らすと、俺を睨んでから足を組んだ

どうやら俺は、谷に嫌われているようだ

嫌われるような行動をとった覚えはないが、何がきっかけで人に恨みを買うかわからない

相性が合わないのだろう

俺は谷のとなりに座っている三沢を眺めた

また嘘をついている人がいる
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