恋い≒病い
「おはよう。」

二度目に聞いたその言葉は前に聞いたものとは違って、とても柔らかいものだった。

「こそばいんだけど。」

「ご、ごめん。」

彼のその台詞に彼の腕をサワサワと撫でていた掌を止める。

私の後頭部に顔を埋めるようにしている彼。
ちょうど耳の後ろから聞こえてくる声は、少しくぐもって聞こえた。

それはとてもむず痒く私は捩るようにしてその向きを変えた。



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