星空に光
「あ」

「あ」


カウンセリングの帰り、
どこかで見たような顔に会った。
確か、あの日、
この病院で…



かるく頭を下げると、
向こうもペコッと頭を下げてきた。








「なんか、この間はすいませんでした」

あたしは彼、今川裕也くんを病院の中にあるカフェに誘った。
もう退院したのだろうか、今日は私服だったから。


「いや、俺もなんか空気読めてなかったよな。ごめん。」



それからあたし逹は少しだけ自己紹介をしあった。


裕也くんは16歳であたしより2つ年下で、
笑った顔は少し幼くて。
弟みたいな、感覚。



「亜美さん、痩せた?」
この間会った時から、
裕也くんは心配そうな目でのぞきこむ。


「もしかして…なんか病気なの?今日も病院いたし…」



なんかこういうストレートなところも年下ならではな気がして、
気を遣われるより楽な気がする。



「うん、あたしは元気だよ。
すごく。
でも大好きな人が死んじゃった」


笑った、つもりでいたけど
窓ガラスに映るあたしはちっとも笑えてなんかいなかった。







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