星空に光
それからあたしはせきをきったように、あの日のことを話し始めていた。


洸輝が死んだのに、あたしは全然平気なこととか
洸輝は絶対自殺なんてするはずないって思ってることも。
カウンセリングの先生にも言ってないことも話してた。


実際遺書も出てきてないし。

それに洸輝は何度も言ってた。
新しく出来た古着屋さんに行きたいね、って。







「つまり、洸輝さんは自殺なんてするはずがないってこと?」


あたしは静かに、頷いた。





その言葉を皮切りに、
あたしと彼の不思議な日々が始まった。
あたし逹が最期のさよならを言ってから、
洸輝が電車に飛び込むまでの空白の数時間をたどる、


愛しくて哀しい日々が。





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