叶わぬ恋
描いた彼女はいないまま個展が開かれた。



友人たちが彼女を偲んで訪れていた。




僕も・・友人の一人として

そこを訪れていた。






「パ~パ、こと決めたの。」


急に娘が僕の手を引っ張って言った。


「なんだい?」

「あのね、ことね、おっきくなったら
絵を描く人になる。」


「絵を描く人?」


「そうなの、でね、いっぱいみんなに見てもらうの。」



僕は辺りを見回した。

大勢の人が来ている。


娘はとても注目を浴びるのが好きな子だ。




画家になるかどうかは分からない。



でも、どんなことでも・・・


僕は、応援する。


もう一人のことちゃんの分まで・・・







「でもね、パパのお嫁さんにもなるからね。」



そう言って娘が僕の手を握った。





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