真夜中の太陽

永輝の名前が出た瞬間、晶くんのいつもと違う様子と重なって、あたしのアンテナは敏感に反応する。


――違う……、永輝は死んでなんか、いない……。



「永輝さん、三ヶ月前に事故で………」



咄嗟に、あたしは晶くんの口を手で塞ぐ。

晶くんはきょとんとしたような顔であたしをじっと見た。



三ヶ月前に事故で……?

そんなこと、知っているよ。

国道にいた子も言っていたし、新聞でも事故の記事見たし。

ちゃんと、『結崎永輝』って書かれてあったし……。


だけど…だけど……――。



「知っているよ。事故で死んだんでしょう?」



ねぇ、晶くん。

お願いだから……。

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