真夜中の太陽
「本人見れば分かるから!そんな過去があったなんて微塵も感じさせないから」
「イヤだってば!ミスなんかしたら絶対ボコられるし!」
「それ、偏見!」
二人でギャーギャー騒いでいると店から店長がやってくる。
「沢井さん、準備できたかな?」
「はい!もうこのとおり!」
答える諒子の後ろで、あたしはぐちゃぐちゃになった髪を手ぐしでサッと整えた。
憧れだったコンビニでのバイトの初日。
あんなにも楽しみにしていたのに……。
一緒にシフトに入る結崎さんの素性を知って、一気に憂鬱な気分に襲われた。
諒子に背中を押されながら店に出ると、待ち構えていた店長から商品の品出しを教わる。
さっきまで諒子と話していたバックルームに商品の在庫があり、品数が少ない商品はそこから持ってきて補充する。
バックルームに行くたびに諒子がニヤニヤしながら「頑張れよー」と冷やかす。
――そりゃ、頑張ってるよ。
でも、元暴走族の総長という結崎さんの存在。
それだけが不安で不安でしかたない。