魔法の指先
車内にアナウンスが響き渡った。プシューという音と同時に扉が開いて、乗車客がぞろぞろと立ち上がった。
相変わらずこの人混みには慣れない。私たちはその人混みに背中を押されながら電車を出た。
「どうする?お昼先に食べる?」
時計を見ると現在の時刻、11時45分。丁度お昼時だ。
『そうだね、お昼も近いし』
「じゃあ、FELICE行こ!」
私たちがここ、六本木で食事する場所は大抵決まっている。駅から少し離れた場所に位置する本格イタリアンレストラン[FELICE]。シックで落ち着いた雰囲気が私は気に入っている。
「「「「Buongiorno!」」」」
店内に入れば店員の堪能なイタリア語が迎えてくれた。まだ12時前だというのに店は混雑している。
「うひゃ~、相変わらず混んでるね」
『そだね……』
席は数席残っているようで私たちは窓際の席に案内された。窓から見える景色が綺麗。夜にはイルミネーションがキラキラ輝いてロマンチックな雰囲気を演出してくれる。
「いらっしゃい。心亜ちゃん、サラちゃん」
と、そこへやって来たのはこの店の店長、伊藤 琢磨さん。三十路近いというのに若々しく、紳士的な男性で女性に優しく、男には厳しくをモットーにしてるらしい。
『こんにちは、お久しぶりです。琢磨さん』
「琢磨ちゃん、久しぶり♪」
「久しぶり。今日は何、食べる?」
彼はスッと、さりげなく私たちにお水を差し出してくれた。
『琢磨さんにお任せします』
「はは、了解」
一礼して去っていくその姿を私たちは見送った。彼が接客してくれる時は必ずお任せと決まっている。いつも美味しいパスタやピッツァを提供してくれて私たち笑顔を与えてくれるのだ。
「楽しみだね♪今日は何かな~」
『そうだね、琢磨さん直々に作ってくれるんだから美味しいよ』
彼は普段はホールに出ているが、厨房に入って料理を作ることも稀にある。新入りコックに味を教えたり、新メニュー開発。多忙な日々だろう。
「そうだね」
私は時計を見た。もうじき12時になる。料理が運ばれてくるのが、12時30分として、食べ終わるのが1時過ぎ。
あまり買い物する時間がない。
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相変わらずこの人混みには慣れない。私たちはその人混みに背中を押されながら電車を出た。
「どうする?お昼先に食べる?」
時計を見ると現在の時刻、11時45分。丁度お昼時だ。
『そうだね、お昼も近いし』
「じゃあ、FELICE行こ!」
私たちがここ、六本木で食事する場所は大抵決まっている。駅から少し離れた場所に位置する本格イタリアンレストラン[FELICE]。シックで落ち着いた雰囲気が私は気に入っている。
「「「「Buongiorno!」」」」
店内に入れば店員の堪能なイタリア語が迎えてくれた。まだ12時前だというのに店は混雑している。
「うひゃ~、相変わらず混んでるね」
『そだね……』
席は数席残っているようで私たちは窓際の席に案内された。窓から見える景色が綺麗。夜にはイルミネーションがキラキラ輝いてロマンチックな雰囲気を演出してくれる。
「いらっしゃい。心亜ちゃん、サラちゃん」
と、そこへやって来たのはこの店の店長、伊藤 琢磨さん。三十路近いというのに若々しく、紳士的な男性で女性に優しく、男には厳しくをモットーにしてるらしい。
『こんにちは、お久しぶりです。琢磨さん』
「琢磨ちゃん、久しぶり♪」
「久しぶり。今日は何、食べる?」
彼はスッと、さりげなく私たちにお水を差し出してくれた。
『琢磨さんにお任せします』
「はは、了解」
一礼して去っていくその姿を私たちは見送った。彼が接客してくれる時は必ずお任せと決まっている。いつも美味しいパスタやピッツァを提供してくれて私たち笑顔を与えてくれるのだ。
「楽しみだね♪今日は何かな~」
『そうだね、琢磨さん直々に作ってくれるんだから美味しいよ』
彼は普段はホールに出ているが、厨房に入って料理を作ることも稀にある。新入りコックに味を教えたり、新メニュー開発。多忙な日々だろう。
「そうだね」
私は時計を見た。もうじき12時になる。料理が運ばれてくるのが、12時30分として、食べ終わるのが1時過ぎ。
あまり買い物する時間がない。
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