また逢う日まで
沈黙を破ったのは庭のほうから聞こえる不思議な歌声だった。



シャンシャンと鈴の音が響いている。


“おいでませ~。ここはこの世にあらず、まがい物集いしお宿だよ。黄泉の国へと誘われ~、そこには見たこともない景色が広がるよ~。汚れた魂を洗い流し~癒してくれるお宿だよ~。おいでませ~。”




……決してうまいとは言い難いその歌声は壁一枚で隔てられている。



二人は静かに息を飲み、声のする壁を眺めているとひょいっと塀の上に何かが立った。


「あー!!!あれは昨日の!夏澄さん、あの人ですよ!さっき話していた!」



八雲は壁の上に現れた人物を見て叫んだ。

その人物は昨夜、八雲と話をしていた薩摩であった。

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