ひまわり
学園祭当日、やっぱり恭平の姿はなかった。
いつも以上にテンションの高いクラスメートが、目ざわりだった。
「蔵島君、今日も来ないのかな?」
教室の窓から身を乗り出す真由が、自転車置き場を見渡す。
状況を何も知らない真由は、あたしにいい思い出を作ってもらいたいと、いつもと変わらない可愛い笑顔を見せてくれた。
また、真由に隠し事を作ってしまった。
きっと、あたしの笑顔が引き攣っているって、真由にはわかってるよね。
ごめん――。
「――真由」
「うん?」
「平岡先輩のとこ行きなよ。
その為に、今日お洒落して来たんでしょ?」
化粧をばっちり決めている真由に言うと、真由は手鏡を下ろしてあたしに目を向けた。