夢オチ<22ページ>
男は、笑った。
多分笑ったんだと思う。

少し、空気が揺れた気がしたんだ。

ただ、男は答えなかった。
そして、足音も無く男の気配は消えた。


僕はまた独り。


もう嫌だ。
こんな世界は嫌だ。

後ろには壁。

頭を思いきり打ち付けたら、いずれ死ねるかな。

痛いだろうな。

だけど、独りはもっと痛い。

心が痛い…




僕の心は、生きる方法ではなく、死ぬ方法を探し、思考は完全に死を見つめていた。

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