時計塔の鬼
くるり。
しばらく外を見ていたシュウが私に顔を戻した。
「後は本当に少ないぞ?」
「少しはあるんでしょ? 聞きたい」
次いで、「教えて」と頼むと、シュウは苦笑して、右手で頭を掻いた。
「んっとな……姿を消したりは、できる」
「姿を消す?」
ああ、だったらあれもそうかもしれない。
思い当たることがあった。
シュウが突然消えて、そしてまた突然別の場所に現れて私を驚かしていたことがある。
あれのからくりは、瞬間移動じゃなかったんだ。