時計塔の鬼
怖い。
と思うことはないが、迫力がある。
数珠ではなくその少女の方に。
鬼である俺以上に、鬼のような気迫があるのかもしれない。
呑気にそんなことを考えて、俺は少女を凝視していた。
迫力負けして、固まった俺を数珠に怯えてるととったのか。
女――さくらはニヤリと笑い、ブツブツと何かを唱え出した。
「……悪しき者悪しき鬼…………今ここに…………」
祝詞だろうか?
けど、俺の体はピンピンしている。
全く効果はない。
そもそも鬼が祝詞で祓われるわけがないだろうに。
「…逝きて後にも………んもうっ!!」