時計塔の鬼



怖い。

と思うことはないが、迫力がある。

数珠ではなくその少女の方に。

鬼である俺以上に、鬼のような気迫があるのかもしれない。

呑気にそんなことを考えて、俺は少女を凝視していた。




迫力負けして、固まった俺を数珠に怯えてるととったのか。


女――さくらはニヤリと笑い、ブツブツと何かを唱え出した。



「……悪しき者悪しき鬼…………今ここに…………」



祝詞だろうか?

けど、俺の体はピンピンしている。

全く効果はない。



そもそも鬼が祝詞で祓われるわけがないだろうに。



「…逝きて後にも………んもうっ!!」




< 114 / 397 >

この作品をシェア

pagetop