時計塔の鬼
「これ、何かわかる? 鬼さん」
「わかるわけねぇだろ。それ何?」
俺がそう答えると、さくらは得意そうに笑った。
「これは携帯電話って言うモノやねん。どこからでも電話できるし、メールもできる。簡単に言えば、動く電話にオマケ機能つけたようなもんやな」
メール?
何だそれは。
「あっそう」
未知の機械に興味が沸いたものの、所詮は他人の持ち物自慢だ。
そんなもの、俺にはどうでもいい。
「さあ、鬼さん。今度こそ覚悟しぃや」
「……今度は何だよ?」
ふっふっふっ。
そんな不気味な笑いを浮かべた少女は、暗雲でもその背後に背負っているかのように見えた。