時計塔の鬼
やっと職員室にまでノートを届け終わった。
声をかけた時の、担任の間の抜けた「お~」の返答には、ひどく苛々させられたけれど。
今まで楽してたんだから、せいぜいノート点検でくたびれてしまえばいい。
そう考えた自分に、苦笑が漏れる。
端から見られていたら、十中八九変な人だと思われるだろう。
太陽が傾きかけた頃。
カバンを手に持ち、足早に教室を出た。
二階からの連絡通路を通って、時計塔の階段を一段一段、登る。