恋に恋する五秒前
嬉しかった。
「クラスの友達?」カナメが楽しそうに聞いてきた。
「うん。にぎやかなクラスでさ~」荷物の整理をしながら思い出?を語る。
「いいなぁ~!うちも電話来ないかな~」携帯を両手ににぎりしめ電話を待っていた。
私にはその姿が少し虚し感じた。
虚しさを感じた私は非通知で、カナメに電話してみた。
電話が来た瞬間、カナメは驚いたように手を震わせ電話を出た。
「もしもし!誰?!」楽しそうに電話の相手(私)に話し掛けていた。
「私だよ!!ハナ。」
「なんだよ~。非通知で掛けないでよ…」ショックを受けているようだった。
「ごめんね!カナメ…」改めて、正座になり謝る。
「いいよ!謝らなくて。ほら?!夕飯の時間だよ!ロビーに行こうよ!」
「うん!!!」私達は、部屋を出て、走ってロビーに向かった。