ぼくがママ
『アイツに見つかってたら ぜったいに わらいものにされていたんだ』
おとこのこが言うアイツとは
ぼくをいじめる子のことだ
『見つからなくてよかったね』
ぼくはそう言って
にっこりわらった
おとこのこは
なんどもありがとうと言った
『ぼくもママがだいすきだから きみのきもちわかる』
ぼくがそう言うと
おとこのこはぼくにちかづいてきた
『よかったら ともだちになってくれないか?』
ぼくはなみだがこぼれた
ぼくに
はじめての
にんげんのともだちができた
ぼくはなにもしていないのに
あたりまえのことをしただけなのに
ぼくに
ともだちができた