ぼくがママ
ママはチップをぼくの手の上にのせた
『チップはとてもさみしかったの だからびょうきになってしまったの』
ぼくのなみだが手におちて
チップはそれをなめた
『今 ママがチップをびょういんにつれていったの もうすこしでチップはしんでしまうところだったのよ チップのママはあなたなんだから しっかりしなさい』
ママからわたされたおくすりをチップにのませた
『ごめんね チップ』
なんかいあやまったかわからないくらい
ぼくはチップにあやまった
そしてやくそくした
『もう ぼくは チップにさみしいおもいはさせない ぼくがママだから』
チップはぼくの手に乗り
ぼくのうでをのぼってきた
ぼくのほっぺに
チップのはながあたった
『チップ ゆるしてくれたの?』
ぼくはだいじなものが
なになのか
わかった
ともだちも べんきょうも
がっこうも ママも チップも
ぜんぶだいじ
どれもだいじで
どれかひとつがだいじだからって
ほかのものをわすれてしまってはいけない