ぼくがママ
『この子がいいの?』
ママは小さなぼくのともだちを見た
ぼくは
ハムスターというどうぶつがいちばん
ともだちになってくれそうな気がした
ぼくは
その中でもいちばん小さなハムスターを手にとった
『ぼく、この子とともだちになる』
ママはうれしそうに笑った
ぼくも笑った
ぼくにともだちができた
『なまえをつけましょう』
ママはぼくのともだちのおでこをなでながら言った
『チップがいい』
ぼくは
ともだちになまえをつけた
はじめてだ
だれかになまえをつけるなんて
ぼくはいつもなまえをつけられていた
それも
いやななまえ
ぼくのなまえじゃないなまえをつけられて
おいかけられたり
泣かされたりした
ぼくはチップをだいじにそだてるとやくそくした
『やくそくするよ、ママ』
『あなたをしんじるわ』
ぼくはママとゆびきりをした