清皇学院記
「玲華ちゃん!」

「亜樹菜!」


 亜樹菜は玄関から門の方に

走ってきた。

「ありがとう。おかげで

助かったよ」

「いいのよ。あ、玲華の大事な人って

鷺川くんのことだったの」


 亜樹菜は玲華の隣にいる蓮を見て

思い出すように言った。

「え、あ、うん。まぁ…」


 玲華はそう言われると何だか

恥ずかしくなってきて、蓮も

照れくさそうに頬を指でかいていた。

「鷺川くんもいい彼女持ったね。

大事にしなよ!」

「あったりまえじゃん。

一生離さねぇよ」


 蓮は玲華に抱きつき、

亜樹菜はそれを見て笑っていた。

「それじゃあ、また明日。

ちゃんとしたお礼は、また

今度するから」


 玲華はそう亜樹菜に言い残し、

蓮と二人で玲華の家に向かった。


 こうして、彼らの宝物がひとつ

誕生した。お互いのことを信じ、

お互いのことを愛しているという

宝物を。
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