子猫のような君を見て
長い長い授業も終わり,あの後輩との待ち合わせ場所に向かう。
弟たちは昨日,お婆ちゃんの家に預けてきたし,大丈夫だな!
自分に言い聞かせるように呟く。
「先輩!こっちです」
待ち合わせ場所に着くと,既に彼は靴をはきかえ待っていた。
3年のげた箱にもたれかかるようにして立っている。
その姿に少しでもドキっとしてしまう自分がよくわからない。
「待たせてごめんね。行こうか?」
はいっと元気な返事を返す彼。
そういえば,まだ名前知らなかった。
まだ彼に関して何も知らなかった。