魔女の瞳Ⅵ
デッドゲイトの家系の者ならば誰もが恐れる『限定』の魔術。

私ですらその効果は打ち消す事が出来ない。

けれどお母様は1000年の魔道の研鑽と鍛錬により、その『限定』の魔術さえも打ち破る事ができるようになった。

しかも術式の簡略化に次ぐ簡略化により、これほど短時間で…。

「高速詠唱も神代の言葉を使うという発想も、元々はサリィ様の編み出した技術じゃ」

どこからか長老が飛んできて、私の肩にとまった。

「この程度の事は造作もないじゃろう」

「……」

信じられない。

とにかく、私を数百年の間縛っていた『限定』の効果は消えた。

もうこの国に留まる必要もないのだ。

「さて…メグ」

大仕事を終えたとは思えない穏やかな表情で、お母様は私に微笑みかける。

「突然単刀直入に訊くけど…貴女、修内太君の事は好きなの?」

「え…?」

お母様は本人がいる前で、とても困った問いかけを投げかけてきた。


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