魔女の瞳Ⅵ
修内太を背後に意識しながら、私はジリジリと後退する。

この狭い部屋では、戦闘になった時に不利だ。

「修内太」

お母様から目をそらさず、私は修内太に語りかける。

「逃げなさい」

「え…」

「そうね…蘭花の洋館が御影市の郊外の森の中にあるわ。そこまで何としても逃げなさい。蘭花には『念話』の魔術で私から話を通しておくわ。匿ってくれる筈よ」

蘭花の洋館には死霊魔女(ネクロマンサー)の天羽菊花や、剣豪の周防五郎之介時貞もいる。

いざとなれば修内太の味方になってくれる。

「そうじゃなくて!」

修内太は私の肩を掴んだ。

「俺も一緒にメグと戦う!」

「馬鹿ね!」

私は振り返り。

「!!」

彼の頬を打った。

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