魔女の瞳Ⅵ
私は足を止めて長老の方を見る。

「そりゃあ構わないけど…何か用事?」

「…来客があっての…」

長老は誰が来るとも言わず、そう言ったきり言葉を濁した。

なのに。

「できれば修内太も連れてきて欲しい」

なんて言う。

この四門邸に来る来客なんて、大抵は魔道絡みの人外だ。

そんな客が来るのに、修内太を同席させるのはあまり気がすすまないのだけど…。

それを伝えると、長老は言いにくそうに俯いた。

「先方がの…是非修内太に会ってみたいと言っておるのじゃ…」

修内太に会いたがっている客?

ますます不穏な匂いがする。

「長老…」

私は彼のクリクリとした丸い瞳を見た。

何もかもを見通すように、真剣な眼差しを彼に向ける。

それを嫌がるかのように。

「…しゅ…修内太に危険は及びはしない…心配はせんでくれ」

長老はグルリと首を回した。

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