魔女の瞳Ⅵ
そう。

お母様に『呪縛』は通用しない。

私だって魔術のプロフェッショナルだ。

そんな事はわかっていた。

ただ、『雷撃』の魔術で体の麻痺した私にはその程度の事しか出来ない。

それに…。

「気を引くのはこの程度でいいかしら?」

私の言葉に。

「かたじけない」

森の中から声がした。

同時に振り下ろされる、まるで槍のような長さの剛剣!!

「!?」

お母様は咄嗟に障壁を展開し、その剣を受け止めた!

…私が効きもしない魔術を行使してまで見苦しく足掻いたのは、『彼ら』のフォローの為だった。

「剣豪・周防五郎之介時貞、義によって助太刀致す…!」

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