【完】キス、kiss…キス!



久しぶりに泣いて、気持ちが落ち着いて、ナオちゃんのところへ帰ろうと立ち上がったのだけれど。


「イタっ!」


どうにも痛くてまたしゃがんでしまう。どうやら、さっきのが原因で足を捻ったらしい。


しかも、よくよく考えると私今どこにいるの?走るだけ走ったけど、ナオちゃんのいるところ、分からない。


「どうしよう……帰れないよぉ」


ホントに自業自得だよ。勝手に嫉妬して飛び出して、ナオちゃん多分心配して探してる。だから、バチが当たったんだ。


私は歩くことも出来ず、その場に座り込む。


太陽がじりじりと背中に光りの刃を刺す。まるで、私を冷たい目で見るように。


それが、堪らなく恥ずかしくて、堪らなく惨めで、心臓に圧がかかって痛い。
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