【完】キス、kiss…キス!
その場にへたり込みそうになるのをなんとか堪え、ふらり、またふらりと歩いて川辺に辿り着く。


草の茂る川辺の下り部分に、堪えていた体の力が抜けて、我慢ならず、すとんと腰を下ろした。


そんな私のことなんかお構いなしに、花火が、爆発音をかき鳴らし、夜空を照らし始める。


大きくて綺麗な花火が、一瞬だけ夜の闇を照らし、パラパラと火花を落とす。


何故だか、小さい頃から花火は私を寂しい気持ちにするんだ。


大きく光れば、そこで力尽きてハラリハラリと落ちる火の花弁。


それに合わせて、ぽろぽろと流れる涙は、あの火の花弁みたいに綺麗じゃない。


「……何で私、一人でこんなとこにいるんだろう」


掠れた音で零れた独り言が、花火の音や虫の声に掻き消された。
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