【完】キス、kiss…キス!
「姫さん、早苗……二人で何やってるんだよ!」


二人で笑っていると、聞こえてきた叫び声。振り返ると汗だくのナオちゃんが切ない瞳を向けていた。


隣の早苗ちゃんを見ると、ナオちゃんの力のない瞳とは反対に、凄く鋭い瞳でナオちゃんを睨みつけている。


「お前こそ、姫さん置いて何やってたの?」


早苗ちゃんは迷いなく、まっすぐ上にいるナオちゃんに向かって歩いた。


「お前が、他の女のケツ追いかけてる姿を見て、姫さんが傷付くの想像出来なかった?ねぇ、お前のそのふわふわヘアーの中身ってすっからかんなわけ?」


ナオちゃんに説教するように、静かに唸る早苗ちゃん。その静かな怒りに、空気がピンと張り詰める。


早苗ちゃんの言葉を黙って聞いていたナオちゃんは、くしゃりと顔をしかめた。
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