【完】キス、kiss…キス!
「この際尚志なんか止めて俺に!どうッスか?」


「いやいや!俺オレ!」


「いや……あはは」


なんだか、自分にない若さに押されて返事に困ってしまうよ。


「み、皆!リレーとマイルのオーダー提出でしょっ!いつまでも姫さんに絡まないで!」


ナオちゃんが三人を叱り付け、その事態を無理矢理収束に持ち込んだ。


「じゃあ、姫さん見ててね!お弁当とハチミツレモンありがとう!大好き!」


そして、ナオちゃんは皆の目の前でこれみよがしに頬にチュッとキスをした。


三人に小突かれながら走っていくナオちゃんに、私は呆然として返事が出来ないまま見送る。


「全く、ヤキモチ焼きなんだからあいつも。可愛い奴」


早苗ちゃんはナオちゃんの背中を見ながら苦笑い。


私は、からかいの笑みに変わっていく早苗ちゃんに対して、恥ずかしさを紛らわすように照れ笑いを浮かべた。
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